有害図書類指定の是非について諮問

神奈川県の松沢成文知事は2005年5月25日、ゲーム「グランド・セフト・オート(GTA)」について、残虐ソフトを「有害」指定するよう諮問すると発表した。神奈川県児童福祉審議会社会環境部会(部会長=上田滋・神奈川県青少年補導員連絡協議会理事)に、暴力性が極めて高いとされるソフト1本について、有害図書類指定の是非を諮問した。

神奈川県青少年課や広報県民課によると、諮問を発表して以降、2005年5月27日までに、電話やメールで約20件の意見が来たという。

賛成意見

賛成意見では、以下のような声が出た。

  • 「手足を切断したり、血が飛び散ったりするゲームは正視できない。子供にも悪影響を及ぼす」
  • 「判断力の未熟な青少年に残虐なゲームを与えるのは良くない」
  • 「インターネットで誰でも自由に参加できる形式のゲームでも、暴力を助長するシーンがある。規制対象にしてほしい」

すなわち、さらなる規制強化を望む声もあった。

反対意見

一方、反対意見も出た。以下のような内容であった。

  • 「残虐なゲームが犯罪につながるという証拠はない」
  • 「業界の自主規制を尊重した方がいい」
  • 「ゲームは親が子供に買い与えることもあり、親の責任を問わなければいたちごっこになる」

18歳未満への販売禁止を求める

すなわち、規制に反対に限らず、18歳未満への販売禁止を求めるレビューが出た。区分陳列といった、神奈川県の規制の実効性に疑問を投げかける意見もあった。

ゲームソフト製作会社が傍聴を希望

神奈川県に届いたなかでは、賛否はほぼ同数だった。また、ゲームソフトの製作会社からは、神奈川県児童福祉審議会社会環境部会の傍聴を希望したいとの問い合わせもあった。

神奈川県児童福祉審議会社会環境部会では、ゲームをプレーした時に現れる画像をビデオで上映した。9人の委員が有害図書類に指定するかどうかを判断した。

ゲームを見ればわかる

神奈川県の担当者は「神奈川県に寄せられた意見には反対も多い。だが、実際にゲームを見れば、規制の趣旨を理解してもらえるはず」と話していた。